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IH調理器用の発熱プレートで大失敗

作業場でお湯を沸かしたり、簡単な調理をするためにIH調理器を置いたのですが、合わせて買った格安のフライパンが全く使えませんでした。さらに、格安フライパンをなんとか使おうと思って購入した発熱プレートの使い方をきちんと読んでなかったために大失敗してしまいました。
折角の機会なので、IH調理器についてちゃんと勉強しておこうと思います。
また、100均グッズで少し実験もしてみました。

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IH調理器の原理

IH調理器の原理は、中学2年の理科の知識があれば理解できます。
・・と書きながらすっかり忘れていたので改めて勉強をしなおしました。
IH調理器は下の図のように天板の下にコイルが収納されています。

IH調理器の原理

コイルに電流が流れると、右ネジの法則の通り、右回りの磁力線が生まれます。
この磁力線が変化すると電磁誘導によりなべ底に渦状の電流が流れます。
磁力線を変化させるためにはコイルに流れる電流も交流にして変化させます。
そして、なべ底に電流が流れることで、ジュール熱が発生して鍋を温めます。
IH調理器の基本原理はこれだけです。

フライパンの材質を気にしないで失敗

最初の失敗はIH非対応のフライパンを購入したことに始まります。
フライパン売り場で商品の説明をきちんと読めばIH対応/非対応が書かれているのですが、全く気にせずに購入したのが間違いでした。

IH調理器に対応していない材質

原理のところで記載しましたが、鍋やフライパンはジュール熱で温まります。ジュール熱は、電気抵抗が高い材質の方が多く発生します。そのため、電気抵抗が低い材質だとジュール熱が発生しません。私が購入したフライパンの材質はアルミニウムだったため対応していませんでした。電気抵抗の低いアルミニウムや銅製の鍋やフライパンはIH調理器に対応していません。次項で記載してますが、最近はアルミニウムや銅の鍋やフライパンにも対応したIH調理器もあります。

また、電気が流れないとジュール熱は発生しません。土鍋のような焼き物や溶岩プレートのような石も対応していません。

最初にも書きましたが、鍋やフライパンにはIH対応/非対応の表示がありますので、購入する場合に確認する必要があります。

また、ホーロー加工がされているものは、ゆでたり蒸すのには良いですが、焼くのには推奨されていません。

オールメタル対応IH調理器

最近では、アルミニウムや銅でも温まるように、電流の周波数を上げて対応しているオールメタルIH調理器が販売されています。
オールメタル対応IH調理器は、アルミニウムや銅にも対応できる反面、抵抗の低い材質を温める必要があるため、流れる電流が増えて消費電力が大きくなってしまいます。
ビルトインタイプのIH調理器では、複数のコンロの1つだけがオールメタル対応になっていたりします。
なお、オールメタル対応IH調理器でも土鍋や溶岩プレートのような電流が流れないものには対応していません。

発熱プレートで大失敗

次の失敗は、それでも何とかアルミニウムのフライパンを使おうとしたことで起こります。800円くらいで買った安いフライパンを使うために、どんどん泥沼にはまってしまいました。

IH調理器用発熱プレート

折角買ったアルミニウムのフライパンを何とか使えるようにしようと、何か良い製品はないか?探してみたところ、発熱プレートなるものを発見しました。

発熱プレートは、土鍋など、IHに対応していない場合でも、プレートが発熱することで、IH機能を利用できるという優れものです。
お値段も手ごろだったので、早速購入しました。

説明書きをきちんと読まずに大失敗

発熱プレートが届いたため、以前購入したフライパンの下に敷いて試してみました。
下の写真は、間違った使い方なので絶対にマネしないでください。

フライパンの下に敷いて大失敗

まずは試しに野菜を入れて温めてみました。最初はIH調理器も問題なく動作して加熱を開始したのですが、少ししたら、エラー音が鳴って停止してしまいました。
原因は、発熱プレートが熱くなりすぎてIH調理器の許容温度を超えたことにあったようです。
下の写真のように、発熱プレートだけでなく、IH調理器の天板も焦がしてしまいました。

天板を焦がした

後から、購入したページを見てみると「※IHに直に敷いては使えませんので、必ず鍋の中に入れてお使いください。」と記載があることに気づきました。
どうやら、下に敷いてしまうと、発熱したプレートの熱が鍋だけでなくIH調理器にも伝わりIH調理器にダメージを与えるようです。
フライパンの購入に引き続き、発熱プレートも説明をきちんと読まずに安易に購入してしまいました。

熱拡散ヒーティングプレートが正解

その後、さらに少し調べてみたところ、「熱拡散ヒーティンン(発熱)プレート」という発熱機能だけでなく、熱を拡散する機能をもったプレートが有ることがわかりました。

こちらは、発熱したプレートがIH調理器側に熱を伝えないように、上面に熱を拡散する機能を持っているため、IH調理器の天板の上にのせて利用して良いそうです。
ただ、これを購入してしまうともう、最初の格安のアルミフライパンをあきらめた方が良いような気もします。
「安物買いの銭失い」を地でやってしまいました。

折角なので100均グッズも使って実験

実験してみようと思ったきっかけは、以下の記事です。

IHで使えない鍋を使えるようにする驚きの100均アイテムとは?

この記事によると、100均で売っているステンレス製の落し蓋を土鍋に入れれば発熱プレートの代用品になるそうです。
落とし蓋は既に記事になっているので、100均でほかにステンレス製のプレート状のものが無いか探してみました。
その結果

  • ステンレス製のお皿(アウトドア用品コーナー)
  • ステンレス製の蒸し器の底(調理用品コーナー)

ステンレス皿と蒸し器

が良さそうということで購入しました。
早速、それぞれを土鍋に入れて加熱してみました。

加熱比較

比べてみて、発熱プレートが良くできていることが分かりました。
まず、ステンレス皿ですが、発熱は全体に均等に行われていて良さそうだったのですが、沸騰してくると泡が皿の下にたまってしまい、皿が泳いでしましました。
ステンレス皿が安定していないと、IH調理器のコイルを流れる電流に影響する事もあるので、もし、ステンレス皿を使うなら穴をあける必要があると思いました。
一方、蒸し器はたくさんの穴が開いているため沸騰しても安定していましたが、ステンレスの厚みが薄いせいか、発熱プレートに比べると火力が弱く沸騰するまでに時間がかかりました。
ステンレスにある程度の厚みがあること、沸騰した際に発生する泡を逃がす穴があることがポイントのようです。

フライパンを何とか使ってみたい

貧乏性のため、せっかくのアルミニウム製のフライパンを何とか使ってみたいと思い、発熱プレートをフライパンの中に入れてお湯を沸かしてみることにしました。

発熱プレートをフライパンに入れた写真

残念ながらエラー音が鳴り動作しませんでした。
電気抵抗の低いアルミニウム製のフライパンに強い電流が流れてしまい、発熱プレートに電磁波が伝わる前にエラーとなってしまうようです。

そこで、次に考えたのが、100均で購入した蒸し器です。
蒸し器はとても良くできていて平たいプレート状の部分はステンレス製で、脚の部分はアルミニウム製になっています。アルミニウムは電磁波による発熱が無いだけでなく、放熱性が高いためIH調理器に熱を伝えることも無いと考えました。
また、脚があることで、プレート状の下面が熱くなっても、直接IH調理器の天板が熱くならず放熱できます。
試したところ、加熱ボタンを押してもエラーで動作しませんでした。
土鍋の実験では加熱できたので、天板からプレートが離れすぎているのが原因と思われます。

蒸し器の脚を加工する写真

色々試した結果、2cmくらいの長さにすればIH調理器が動作することが分かりました。
そこで、上の図のように、脚の長さを調整することにしました。
あらためて、蒸し器を設置し、その上にフライパンを置いて加熱してみました。

蒸し器でフライパンを加熱する写真

予想通り、無事に動作しました。
しかも、途中エラーが出ることもなくきちんとお湯が沸きました。
ただ、蒸し器にはそれなりの焦げ色が付きました。

加熱後の写真

アウトドア系の人が蒸し器を焚き火台に利用していることもあるようなので、焦げ色がついても利用は可能と思いますが、使うなら出力を小にして利用するのが良さそうです。

さいごに

最終的には熱拡散ヒーティングプレートを購入することにしましたが、実験で利用した蒸し器は、それまでのピンチヒッターとして利用しようと思います。
身近になってきているIH調理器ですが、特性を知っていると、もっと面白い使い方ができるかもしれません。
ありがちな記載で恐縮ですが、皆さん試される場合は自己責任でおねがいいたします。

さいごまで読んでいただきありがとうございました。