知恵生活の種

お得・役立つ知恵生活の種を取り上げます

山田五郎のyoutubeチャンネル「大人の教養講座」が面白すぎ!

山田五郎をご存じでしょうか?テレビ東京系の「出没 アド街ック天国」にレギュラーで出演している黒縁メガネとキューピーのような髪型が特徴の彼です。
彼のyoutubeチャンネルが「大人の教養講座」です。
絵画と画家を扱うチャンネルなので、お堅いイメージと思われるかもしれませんが、笑ってしまうくらい下世話なのに、美術に対する興味をそそるチャンネルです。
番組の面白い回をいくつかピックアップして紹介したいと思います。

絵画のイメージ図

山田五郎さん

番組の中でも様々な街に関する雑学を披露する博識ぶりの山田五郎さんは、元講談社の編集者です。
講談社時代には若い男性向けの情報誌「ホットドックプレス」の編集長もしていました。
さらにさかのぼると、上智大学に在学中に、オーストリアのザルツブルグ大学へ留学し、西洋美術史を専攻しています。留学時代のヨーロッパの美術館は日本よりもオープンマインドで、有名な画家の絵を素のまま触らせてくれたりしたそうです。
会社員になってからも、羽振りの良い時代のおかげもあり、先輩編集者がマンガ雑誌に横尾忠則に発注した絵を乗せるなど様々な刺激を受けてきました。
完全にアカデミーよりではない彼なので、絵画にまつわる面白い話をできるのだと思います。

早く見るべき「ピカソ」回

ピカソやダリと言った比較的新しい画家の絵は未だに著作権が切れていないそうです。
山田さんは、近代絵画の理解が進まないのは著作権の兼ね合いで近代絵画を取り上げづらいことも原因の一つと考えています。
著作権が切れていない絵画を、youtubeの番組で取り上げる場合は、著作権料を支払う必要がありますが、記念回で視聴者から頂いた、スーパーチャットでの寄付を元手にピカソ回が実現しました。
2022年7月には更新料を支払う必要があるので、もしかしたら1年限定の動画になるかもしれません。なので、早めに見ておくことをお勧めします。

www.youtube.com

その後の生放送で収支報告をしているのも彼らしくて好感が持てます。

収支の画像

日本の影響を受けまくったアールヌーボー「ミュシャ」回

アールヌーボーは、ヨーロッパを中心に1800年代後半から1900年代前半に起こった「新しい芸術」を目指す美術運動です。
アールヌーボーは、浮世絵や日本画の影響を非常に強く受けています。
日本で人気のある画家「ミュシャ」も日本の影響を強く受けています。
日本の影響を受けたミシャの絵に、1970年代の少女漫画が強く影響を受けていることが興味深いです。

www.youtube.com

西洋絵画でも裸はNGだった「ドラクロワ」回

西洋絵画の世界では、少なくとも1800年代前半までは、裸の絵を描くとお叱りを受けていたそうです。江戸時代の日本でも幕府により度々春画の発行を禁止されていますので、当然と言えば当然です。
その割に、裸を描いた西洋絵画はたくさんあります。
実は、抜け道があって、聖書や実在しないことを盾に裸を描いていたそうです。
聖書にアダムとイブはリンゴを食べるまでは裸だったと書かれていますので、アダムとイブやリンゴを食べていない神々が裸なのは正しいという主張です。
そこから、裸を描くための方便の解釈は、徐々に変化していきます。

www.youtube.com

仕事が遅い画家「レオナルドダヴィンチ」回

モナリザは、レオナルドダヴィンチの代表作です。
「絶世の美女」「どの角度から見てもこちらを見ている」「下に別の絵が隠れている」など、モナリザならではの話題にも事欠きません。
モナリザは、レオナルドダヴィンチだからこそ描けた絵と言われます。
確かにその通りなのですが、なぜ、彼だからこそ描けたかというと、実は絵がうまいからと言うことではなさそうです。
彼は仕事が遅くて有名で、注文した人を何度も怒らせていたそうです。
その、仕事の遅さによって実現できたのがモナリザなのです。

www.youtube.com

絵が下手な人が時代を変える「セザンヌ」回と「ルソー」回

現代絵画は奇抜な絵が多いため、上手・下手は大きな要素では無いように感じられます。
物の本質やテーマを伝えるために、対象物を対象物のままに描く必要は無いという考えが根底にあります。
たとえばピカソは、元々非常に絵が上手い画家でしたが、アフリカ芸術や子供の線に感銘を受け、自ら現代絵画(ヘタウマ)の道へと進みます。
ですが、セザンヌやルソーは本当に絵が下手でした。
そして、セザンヌは、自分の筆を対象物に合わせるのではなく、対象物を自分の得意な造形に寄せるという選択をし、その後のキュビズムに影響を与えます。
www.youtube.com

また、ルソーは、絵の下手さを補って余りある色彩感覚で、ピカソに尊敬され、シュールレアリスムを先取りしたとも言われます。山田さんはルソーがかなりお気に入りのようで、ルソーは4回も取り上げています。もっとも、ルソーが好きなのは、山田さんだけではないのかもしれません。日本の美術館にはルソーの代表的な作品85点の内18点が所蔵されています。
www.youtube.com

まとめ

「大人の教養講座」では、他にも
ミケランジェロ、ゴッホ、ムンク、ドガ、モネ、ミレー、ルーベンス等様々な画家の作品を取り上げ、時代背景や画家の人間性や性癖まで話してくれます。
また、記念回では、視聴者の絵画の考察を取り上げ一緒に考えたり、替え歌も披露してくれます。
絵画に興味のない方でも楽しめる番組になっているので、余裕のある時に是非見てください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。