百均で販売している商品は、ちょっとしたアイディアを加えるとさらに魅力的になります。
そんな時の、アレンジ用の部品を3Dプリンターで作っています。
3Dプリンターと聞くと、「高い」とか「難しい」と思う人も多いと思いますが、最近ではプリンターの値段も下がり、ソフトウェアも無料で使える良いソフトウェアが有ります。
また、複雑な形状のものを作る場合は難しいかもしれませんが、ちょっとしたものなら特に難しいこともありません。
ちょうど、百均で買ったカゴの取っ手が壊れてしまったので、交換用の取っ手の製作過程とともに、3Dプリンターで部品を作る大まかな流れを紹介したいと思います。
また、何回かに分けて、それぞれの工程についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。
取っ手が壊れてしまった
DAISOで買ったフック付きのかごは、ひっかけるところがあれば、簡単に小分け収納スペースを作ることができるのでとっても便利です。
ちょっと前に買ったので、全く同じものはなかったのですが、フック付きのカゴ「フックワイド」は現在も定番商品のようです。
スッキリ収納 フック ワイドW | 【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア
使い方が悪かったと思うのですが、クリップやネジのようなちょっと重めのものをがっつり入れて使っていたら、耐えられなくなったようでフックを止める部分が壊れてしまいました。
1つ100円なので新しいものを買っても良いのですが、壊れた原因が内容物の重さだとすると、きっとまた壊れると思い、よりガッチリしたフックを3Dプリンターを使って自作することにしました。
データの作成
まず、フックをひっかける場所は、カゴのメッシュ部分にしてより広い面積で支えられるようにします。
カゴのメッシュの厚みが1.2mm、カゴのフチのでっぱりが5mm程度だったので、でっぱり部分が干渉しないようにします。
イメージは以下の通りです(薄紫が自作するフック、緑がカゴのメッシュ部分)。
3Dプリンターで出力するデータを作成するまでに2つの工程があります。
- STLという形式のデータを作成する工程
3DCADと言われるソフトウェアを利用してSTLという形式のファイルを作成します。
昔は、何十万円もするソフトウェアを購入する必要がありましたが、最近では、無料で利用可能なソフトウェアも複数あります。 - STLデータをGCODEという3Dプリンター用のデータに変換する工程
GCODEに変換するソフトウェアをスライサーと言いますが、こちらも複数のソフトウェアが無料で利用できます。
STLデータの作成
今回はFDM方式という、樹脂を溶かして下の層から積み上げていく3Dプリンターで出力します。
なので、下から上に積みあがる途中に穴や隙間があると、樹脂が落ちたり歪んでしまいきちんとした形状になりません(下の図の赤で囲った部分)。
そこで、フックの側面を下にしてそのまま上にまっすぐ成型できる形状にしました。
3DCADで作った3Dデータが以下になります。
GCODEデータの作成
スライサーは、利用する3Dプリンターの設定を入力すると、実際の3Dプリンターの印刷面に成型される形状の向きや位置を設定できます。
特に向きは大切で、向きによっては正しく成型出来ない場合があります。
正しい向きを設定し、GCODEデータを出力します。
3Dプリンター出力
3Dプリンターにデータをセットして、ガラス面に樹脂が良くつくように薄くスティック糊を塗って印刷を開始します。
印刷までに少し時間がかかるのが欠点ですが、ずっと見ている必要はないので、仕掛けたら他の用事をこなします。
1時間後にフックが完成しました。
すぐに取ろうとすると樹脂が暖かく歪みやすいので、冷めるのを待ってガラスから剥がします。
思惑通り、メッシュの隙間にうまくハマりました。
写真に髭のような細い樹脂が見えますが、製造途中樹脂を出力するノズルから溶かした樹脂が糸を引くと出てしまいます。
温度設定で改善はできますが、カッターやヤスリで簡単に除去できますので、あまり気にする必要はありません。
もう一つ同じものを3Dプリンターで成型して、元々設置していたポールにつけてみました。
うまい具合に設置出来ました。
まとめ
3Dプリンターで出力すると高いお値段がかかりそうと思うかもしれません。
今回のフックを2つ作るのに使った樹脂の重量は10.34gです。
フィラメントと呼ばれる樹脂が1Kgで3,000円くらいになりますので、材料費は31円程度になります。
なので、3Dプリンターを使ってDIYするのもお得な知恵と言えそうです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。