前回の投稿に続いて、新型コロナウィルスが発症してからの情報を共有させていただきます。
病院に入院した際に両足、両腕の6ヶ所から採血され、血液検査の結果、急遽設置された集中治療室へ行くことが決まりました。鼻から強制的に酸素を送り込まれる酸素吸入器を着けられ、血栓ができにくくなる点滴を投与され、3日目からはレムデシビルを投与されました。レムデシビルを投与されてからは、徐々に症状が改善し6日目には無事に大部屋へ移動になりました。その後は、肺の炎症を抑えるステロイドや、4種類の薬も飲用し、吸入器の酸素濃度も徐々に下げていき、自分で呼吸できるようになった翌々日に無事に退院することができました。
新型コロナウィルス治癒後
私は、無事に退院することができましたが、家族の一人にも感染させてしまいました。
PCR検査で陽性が確認されたのは、私が発症してから1週間後でした。
幸いなことに感染した家族は、発熱することもなく無事に10日の自宅療養期間を終えることができました。
濃厚接触者が一番長く自宅待機になる場合も
私は、自宅を離れ事務所生活を始めたので、当初の濃厚接触者の待機期間のカウントは、私が事務所へ移った日からでした。しかし、その後、家族の一人が発症してしまったため、残りの家族の待機期間のカウントはリセットされてしまいました。感染した家族は無事に10日間の自宅療養期間を終えました。そして、感染しなかった家族(濃厚接触者)の自宅待機期間を確認したところ、10日の自宅療養期間を終えた日を起点に14日間と言われました。部屋を分けて食事の時間も分けたことを伝えましたが、トイレや風呂を分けていないのであれば感染の可能性は否定できないとのことでした。
説明はもっともですが、結果として感染しなかった家族が一番長く自宅待機になってしまいました。
治癒した後もPCR検査では陽性に
エハラマサヒロさんが新型コロナウィルス治癒後にPCR検査で陽性反応が出たためイベントを欠席したというニュースが有りました。
入院先の医師に、仕事仲間と面会するにあたってPCR検査を受けようと思うと話したところ、「治ってすぐはPCR検査を受けても陽性になりますよ、感染力は無いんですけどね」と言われました。
実際、以下の病院の例では、治癒後2週間は100%の人が陽性だと言っています。
また、陽性が陰性になるまでの期間は、症状が重い人ほど長くなる傾向にあるそうです。一方で、陽性でも感染力が無いことも国立感染症研究所のページで説明があります。
うつす人からうつされる人へ
新型コロナウィルス感染後、20日後に抗体量はピークとなり、その後は、徐々に減少するものの、6か月後でも抗体は維持される事を日本医療研究開発機構が発表しています。
そのため、新型コロナウィルスへの感染リスクは低くなります。
ですが、入院した病院からもらった注意書きでは、
- インフルエンザ感染リスクが高くなるので、予防接種を受けること
- マイコプラズマ肺炎の感染リスクも上がるので定期的な検査をすること
- その他の感染症にも気を付けて生活をすること
と言った内容が書かれていました。
PCR検査をしてくれた病院の先生も、新型コロナウィルス発症と、肺炎の影響で、体全体で見れば弱い状態になっているので、新型コロナウィルスに対する抗体があっても、他のウィルスへの感染リスクはむしろ高まっていることに留意するようにとおっしゃってました。
治癒後に残った後遺症
和歌山県が163人の新型コロナウィルス感染症から治癒した方へのアンケートでは、後遺症として、下痢、食欲不振、関節痛、記憶障害、目の充血、睡眠障害、咽頭痛、集中力低下、胸痛、脱毛、頭痛、呼吸困難感、味覚障害、倦怠感、嗅覚障害が挙げられるとまとめています。
「新型コロナウイルス感染症の後遺症等のアンケート調査の結果について」
また、国立国際医療研究センターの63人に対するアンケート(75%がコロナウィルス肺炎を発症)では、後遺症は比較的長い期間持続することが報告されています。
Prolonged and Late-Onset Symptoms of Coronavirus Disease 2019
私の場合は、罹患中に嗅覚障害が出ましたが、治癒とともに改善されました。
一方で呼吸困難は治癒後も残り、治癒してから腰痛の症状が現れました。
腰痛については、整形外科の先生とストレッチの先生に診てもらった結果、背中がガチガチに固まっていて、首と腰の筋肉が引っ張られて症状が出ているとのことで、肺炎の影響だとわかりました。
呼吸困難は、退院してすぐの頃はシャワーを浴びただけで意識が遠のきそうになるくらい厳しかったです。入院した病院の先生が言うには、「失われた肺機能は戻らないので、残った部分を効率的に利用できるように少しづつ肺に負荷をかけてリハビリしてください。」とアドバイスを頂いたので、1日1時間ほど歩いて肺機能の回復を目指しています。日々回復していることは実感できますが、まだ、階段を4階まで上がるとゼーゼー言う状態です。
金銭面でのサポート
新型コロナウィルスに感染してしまった場合、以下のような補償が受けられる可能性があります。
- 業務に起因して感染したものであると認められる場合
新型コロナウイルス感染症による症状が継続(遷延)し、療養や休業が必要と認められる場合
→労災保険給付(令和3年7月は1768件の請求に対して1679件が給付決定) - 新型コロナウイルス感染症により、療養のために会社を休み、事業主から報酬が受けられない場合
→会社が加入している保険から傷病手当の支給(標準報酬額の2/3)
他にも、自治体ごとの補助金やお子様をお持ちの女性向けの補助金もあるようです。私の場合給与定額支給の上、被雇用者では無いため上の制度は利用できませんでした。
ただ、入院保障付きの生命保険に加入していたため、そちらから保障を受けることができることになりました。
追記:
生命保険会社によって対応は異なりますが、私の生命保険は自宅療養だけでも保障がでるそうです。(妻の生命保険では入院が必要だが、病床が無いため自宅療養になった人に保障がでるそうです)
その際、「いつからいつまで自宅療養になったか」「いつから入院していつ退院したか」「病気は新型コロナウィルスか」を証明する必要があります。私の生命保険では証明する書類として、
- いつから:「就業制限通知」(保健所が発行)
- いつまで:「診断書」(入院した病院が発行)、「就業制限解除通知」(自宅療養の場合:保健所が発行)
を指定してきました。
診断書は、病院の退院前に発行のお願いをしていたため、既にありました。
そして、「就業制限通知」を発行してもらうため、保健所に連絡を入れたところ、発行まで1ヶ月半かかるとのことでした。
9月6日の状況では、新規感染者はピークを越えたものの、療養者がピークを越えるまでにはまだ時間がかかる。さらに、私のように通知書の発行を求める人は増えていて、その電話対応だけで1日が終わってしまう状況とのことでした。
そして、前回の投稿で「治療費は公費で払ってくれる」と記載しましたが、「就業制限通知書」とともに、医療費支給の申請書が送られてくるそうです。確かに、何の申請も無しに、医療費を払ってもらうわけにはいきませんね。その際に、住民票、納税証明書の添付が必要とのことでした。
新型コロナウィルス感染者に対する対応の変化
私が新型コロナウィルスを発症した時期は、感染者数が5千人を超える日があり、感染者数の傾向も右肩上がりの時期だったため、保健所も毎日想定外の出来事に対応しなくてはならなかった時期だったと思われます。
2021年8月13日には厚生労働省が「感染拡大地域における陽性者の家族等への検査について」という通知の中で、「緊急事態宣言発令地域(東京都を含む)」や「まん延防止等重点措置区域」に対して、濃厚接触者や体調不良者に対するPCR検査を保健所の判断が無くても行うよう促しています。(以前記載した、発熱相談センターへの問い合わせで病院を紹介してもらえなかった場合でも医療機関の判断でPCR検査が受けられる)
もともと、診療所でも治療を行う事も可能で、酸素療法(酸素吸入器の利用)、ステロイド投与、解熱剤(アセトアミノフェン)の処置や処方は可能です。
参考:新型コロナウィルス診療の手引き(5.3版 2021年8月31日発行) 43-44P
また、2021年8月25日の厚生労働省の通知では、抗体カクテル(ロナリープ)の投与を日帰り入院でも行えるように変更されたため、自宅療養者でも要件を満たせば日帰りで抗体カクテル投与を受け、重症化を防ぐことができるようになりました。
さらに、酸素ステーションや入院待機ステーションのような中間施設の設置、9月上旬からの自宅療養中の新型コロナ患者へのオンライン診療の開始(東京医師会発表)と、徐々に状況に対応する取り組みが行われています。
さいごに
新型コロナウィルス感染に関する情報の共有は、この投稿で一区切りとしようと思います。後遺症を著しく早く改善する方法が分かったら、もしかしたら、補足で投稿するかもしれません。皆さんが感染しない、仮に感染しても重症化しないための参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。